仕事紹介インタビュー COL(クリニカル・オペレーションズ・リーダー)

  CRA(Clinical Research Associate,モニター)のネクストキャリアとして位置づけられる、クリニカル・オペレーションズ・リーダー(COL)の仕事。その名の通り、治験の実施(オペレーション)を管理する、臨床開発には欠かせない役割の一つです。 今回は、実際にプロジェクトを管理を担当しているCOL 2名に、COLの仕事内容ややりがい、日々感じていることなどをざっくばらんに語ってもらいました。
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臨床開発部 COL I.N

■profile 外資系製薬会社MRを経て、パレクセルにCRAとして入社。2015年よりリーダー職。一児の母。手芸と時計収集が趣味。

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臨床開発部 COL S.M

■profile 2001年新卒入社、CRAを経て、2008年より現職。休日は、愛娘2人とのお出かけがメイン。

※社員の職位・タイトル・年次は取材当時のものです

Clinical Operations Leader (以下COL)の仕事とはどのようなものですか?
I:端的に言いますと、治験の業務が円滑に動くように管理監督する仕事です。 いくつかの試験を担当し、異なるクライアントと向き合います。 複数の試験を同時に担当するため、異なるクライアントと並行してコミュニケーションをとる必要があります。クライアントによって、やり方や考え方が違う部分をうまく調整して、CRAがスムーズに実務を行えるようにしてもらうのが仕事です。 CRAが対施設とのコミュニケーションならば、COLは対クライアントとのコミュニケーションが中心になります。
M:プロジェクトは、GCP、SOP(標準業務手順書)、プロトコルなど決められたルールがあります。しかし、プロジェクトがルール通りに進まないことはもちろんあります。プロジェクトの進捗に応じて生じる課題や問題の状況を都度判断して、プロジェクトの途中で発生する課題や問題に対し、適切な判断をすることが求められています。
1日の過ごし方を教えてください
I:私は朝一番でメールをチェックし、それぞれのメールの返信期限をスケジューラーに入力し、漏れがないように工夫しています。日中は、会議や問い合わせが多いので、それに対応できるように比較的余裕を持ったスケジュールにしています。
M:私は通勤時間が長いので、朝のメールチェックは通勤時間内に済ませるようにしています。グローバルスタディの場合、夜にメールが来ていることが多いので、通勤時間を利用して振り分けをし、デスクに着いた時からすぐに動けるように工夫しています。
会議が多いとのことですが、どのような会議がありますか?
I:スタディ(プロジェクト)関連の会議はもちろん、トレーニングや、社内の業務に関する会議、組織横断的なプロジェクトに関することなど、管理職としての会議が多いです。
M:実は、スタディに集中して使えるまとまった時間というのは、1日の中でそれほど多くはないんですよ。 Iさんがおっしゃったような会議が日中に複数組まれていて、夕方からしかスタディの業務にあてられないことがあったり、予定が空いていても急にレポートを求められたりして、業務にかかる時間を予測することがなかなかできないことが多いです。そのためにも、余裕を持ったスケジュールを意識的に組むことが必要ですね。
I:スタディに関するデータを取りまとめたり、資料・レポートを作ったりなど、CRAのときは、COLが具体的にどんな業務で忙しいのかわかりませんでしたが、実は目に見えない業務がたくさんあります。
M:私は、リーダーである自分が、チームメンバーから見て、「何をしているかわからない」状況を作らないために、情報共有には気を使っています。海外からの問い合わせのメールなど、プロジェクトの進捗状況に関わる情報は、こまめにメンバーをCCに入れて、自分の仕事の進捗を見てもらったりしています。
業務の中で大変なことはどんなところですか?
M:プロジェクトのリーダーという立場なので、メンバーの一歩先を常に見据えて動かなければいけないというところはプレッシャーでもあり、仕事の醍醐味ですね。 個で動くCRAと、人を動かすCOLでは、全く視点がちがいます。メンバーにどのように動いてもらうかを考え、わかりやすく説明するための準備をしています。
I: プロジェクト内で起こっている問題を実際に確認し、その都度状況判断をして決断をしています。正しい情報を見極めて判断することには大きな責任を感じています。
仕事・プロジェクトをうまくマネジメントするために気をつけていることは?
M:誰にでもわかりやすい説明を心がけています。タスクの説明だけでなく、その背景も分かるようにしています。 CRAが施設の方に説明するときにそのまま使える資料を用意することもあります。
I:私は相談しやすい環境づくりに気を配っています。メンバーには、業務を通して気になることは、問題が大きくなる前に相談してもらえるようにしたいですし、チームの士気が上がるような、例えばクライアントからお褒めの言葉を頂いたときなどはこまめにシェアをするなど、雰囲気づくりにも気を使っています。
ご自身がモチベーションに感じること。仕事をしていてうれしいことはどんなことですか?
M:この仕事は、信頼関係が第一であると思っています。また、プロジェクトがうまく行くかどうかも信頼関係次第であると感じます。 クライアントとの信頼関係をコツコツ蓄積していき、それを得られたときはうれしいなと思います。 他には、被験者のエントリーが期限内に完了したときなど、プロジェクトにおける重要なマイルストーンの達成もうれしいですね。自分の存在意義があるなと感じます。
I:チームの人材配置や仕事の振り分けで、うまくメンバーが活躍出来ている姿を見ると、うれしく思います。
臨床開発プロジェクトの現場で、グローバル化・IT化、モニタリング手法の変化などを感じますか?
I:いまパレクセルでは、RBM(Risk Based Monitoring, リスクに基づくモニタリング)を取り入れたリモートモニタリングを行っていますが、例えばカルテのデータの自動同期が進んだり、さらにはAI(人工知能)が発達したりして、働き方が変わってくるのだろうなと思うことはあります。 将来的にはさらにグローバル化が進んで、部下が日本人だけではなくなることもあるかも知れませんね。 もう少し英語を勉強しないと(笑)。
M:時代が進むにつれモニタリング手法も変わり、今後は、現場で必要なリソースの数は減っていくかもしれないなと思います。でも、ある程度時代が変わっても、プロジェクトの状況をまとめ、判断するCOLの役割は無くならないと思っています。グローバル化によって、英語のブラッシュアップは必要かもしれませんが、グローバルプロジェクトの中で、日本の状況をしっかりと説明し、プロジェクトの一員としてかじ取りをしていく人材の需要は確実にあると思います。 今は、いたずらに先行きに不安を感じるのではなく、「状況の説明がしっかりできる」COLとして、実績を積み上げるのが大事かなと思います。それでもやっぱり、IT技術の進みには、多少前のめりになったとしても、ついていかなければいけないなとは感じていますね。
I:Mさん、よく英語でお電話されたりするのをお見受けしますが、英語はどうやって習得しましたか?
M:グローバルスタディにアサインされたとたんに、グローバルのプロジェクトリーダー(治験プロジェクト全体をまとめるリーダー)との週1回の1対1のミーティングがいきなり入りました。 電話会議で英語が必要なときは、突然やってきます(笑)。 自主学習で、Skypeでの英会話サービスを使って、「説明する」能力を鍛える練習などをしていましたよ。 専門用語などは巷のサービスではもちろん学べませんが、状況を説明できる英語力を身につけるには、そういったサービスも有効です。 もちろん、社内の英語トレーニングはとても実践的な英語表現を教えてくれます。
会社についてどう感じていますか?
I:自由な雰囲気で、働きやすいと思います。有給休暇も取りやすいですし。それに、上下の人間関係を超えて、自由に意見を言える環境はありがたいなと思います。
M:私は、週に1回は在宅勤務をしています。ほかの方も、固定で週何回か在宅をされている方もいますし、ご都合などに応じてその日を在宅でご勤務されるなど、勤務形態は自由な印象です。 在宅勤務の時は、子供とご飯を食べる時間を持てますが、通常業務終了後に、分担されている家事業務もあるので、結構忙しくしています(笑)。
I:COLになって外勤の頻度が減り、子育てとのバランスがより取りやすくなりました。 家庭の都合があるときは、いったん帰宅して、そのあと仕事をしたりすることもあります。 夜の電話会議が多いプロジェクトだと、早めに帰宅して自宅で会議に出ることがほとんどです。 将来的なキャリアとしては、人材育成をしてみたいと思っていますし、会社内でそのチャンスはあると思います。
M:よりグローバルな立場を目指そうと思った時にも、そのチャンスは社内で掴めると感じています。
パレクセルで成功する人はどんな人ですか? これからCOLを目指す方に一言お願いします。
I:受け身ではなく、何でもとりあえずやってみよう。チャレンジしてみようという人が成功していると思います。 パレクセルは自由な会社と言いましたが、自由な分、手取り足取り構ってくれるということはありません。でも皆さん聞けば、聞いた以上のことを教えてくれますよ。 与えられた状況を、チャンスと思ってやってみる。時流に乗ってみる。そんなフットワークの軽い人が多いかなと思います。
M:次のステップとしてプロジェクトのリーダーを目指すなら、たとえば問題や課題に直面した時に、“自分がリーダーだったらどんな判断をするか”を考えて行動すること。リーダーに相談する際も、自分なりの回答を常に持って臨むことなど、小さいことですがそんなトレーニングが大事かなと思います。 それぞれのプロジェクトやフェーズで起こる事象は変わりますが、解決をするためのアプローチは基本的にはそんなに変わらないと思っています。 解決策に至った経緯をかみ砕いて、蓄積していくことが、次のキャリアにつながるのではないでしょうか。
I:プロジェクトは、チームで成し遂げるものです。メンバーに対しての指導や依頼等、わかりやすく、相手に響くものの言い方をすることを考えるのも、メンバーのうちからトレーニング出来ることの一つかなと思います。
M:臨床開発のプロジェクトは、法令等で決められているプロセスもありますが、プロジェクトで起こる事象は千差万別いろいろなものがあります。物事に正解はなく、状況判断で決断することが求められるのがCOLの職務であり、醍醐味かなと思います。 COLの業務は、やりがいも大きく、ビジネスの「現場感」も感じられる仕事です。 将来的に臨床開発分野で必要とされる人材として成長するためのステップとして、是非目指していただきたいですね。